雑念

一人になってみて初めて自分の存在の小ささがわかってきた気がする。今まで、ぼーっと生きてきた自分は、ただ周囲の人間がいる環境が当たり前だった。自分の半径数メートルの範囲が、世界の大きさだと勘違いしていた。今でも大してわからないが、わかっていなかったということはわかりつつある。自分は自分の世界では主人公であるが、現実社会では一個の小さな存在に過ぎない。総体としての部分にしか過ぎない。共時的な平面の世界においてもそうだし、その時間的な流れにおいても。今までうすうす感じてきたことを、身を持って体感している。
だからこそ人間は、自分が独自の人間だと主張したい生き物かもしれない。論理的な飛躍かもしれないが、雑多で画一的な大多数の人間たちから抜けだそうと、差別化しようとして、創作活動に希望を見出す人達がいるのかもしれない。それはアートだったり創作活動だったり、何らかの手段で自分の存在を表現する。自分が固有性の存在を主張したいという思いによって。自分は、全く芸術的なセンスも表現方法も持っていないが、こうして文章を書くことで自分を含めた誰かに伝えることは少なくともできる。単に文章を書いていると思考が整理されて落ち着くという動機だけど。このままずっと書き続けていけたらと思う。